『匿名作家は二人もいらない』を読みました

早川書房から出ている『匿名作家は二人もいらない』を読みました。

写真だと大きく見えますが文庫本です。

表紙の印象から少し昔の作品なのかなと先入観を持っていましたが、初版が2022年と最近のものでした。読んだ後に気づきました😅

この本の良いところ

本のタイトルから想像できる通り、匿名作家というのがテーマになります。主人公のフローレンスが、とある匿名作家のアシスタントとして働きます。フローレンス自身も作家としての野心というか憧れを強く持っており、匿名作家の様々な言動に憧れ、嫉妬し、真似るようになります。そして、フローレンスの心境の変化や情景、行動によって物語(運命というのか)が大きく動いていきます。

この本はそんなフローレンスの人間味だったり狂気じみた一面を味わいながらサスペンスとして物語が進みます。『大体こうなるんだろうな』と思いながら読んでいても意外と当たらず、しかし期待を裏切り過ぎずといった感じでバランスが取れている印象があります。

まだ読んでない方へ

ページ数は多めですが、読むのはそれほど大変ではありません。テンポが良かったり、惹きつけられる部分が多いです。作品全体を通して展開に緩急があって、ふと一気に読み進めたくなったりします。

前回のカルロス・ルイス・サフォンさんの作品もそうですが、作家が書く『作家の想い』というのはとてもリアルというか、強烈なメッセージ性を感じるものがあって素晴らしい作品が多いと思っております。

おすすめの一冊です。